売上目標を「彼ら」の手に。

明日世界が滅びると知らされても、

それを自分にとっての意味に変換できない限り、

人は昨日と同じ今日を送るだけだ。

営業マネージャーのあなたが負う売上目標。

重いですよね。重いです。


もちろん、それはあなたの「チーム」の目標です。

あなたはもはやプレーヤーではありません。

あなたの目標ではなく、あなた達の目標です。

ですが、メンバーにとっては、「チーム」の目標は「自分」の目標ではありません。

このままでは、あなたの「チーム」の売上目標は、「あなた」の目標になってしまいます。


営業マネージャーとして、あなたが考えなければいけないこと。

それはチームの戦力で如何に売上を最大化するか、です。

そのために、メンバーの力を最大限発揮できるようにしましょう。



メンバーが「自分の目標」と言えるようにする


チームの売上目標をブレークダウンして一人ひとりの目標にしていきます。

メンバーごとに担当がハッキリ分かれている場合は問題ありません。

私が過去に経験した中で「個人別に分けられない!」というケースは以下のような場合です。


1. 二人で(複数人で)担当しているので一人ひとりに分けられない

主担当を決めさせます。先輩・後輩は関係ありません。

誰か一人、主担当が数字責任を負う。

もちろん、これまで通り、複数人で担当すればいいのですが、主担当が他の担当を巻き込みリードして数字を作っていく。

そういう役割の「主担当」を(無理やりでもいいので)作らせます。

そもそも主担当が決まっていない中で複数人が担当するケースでうまくいく場合を見たことがありません。

主担当を決めたがらない場合は、担当のうちの誰かが(もしくは全員が)顕在化させたくない問題が潜んでいます。間違いなく。


2. 他の部署の影響もあるので自分だけで売上コントロールできない

営業だけでなくプロモーション/宣伝も関係している。生産量によって売上も左右されるのでなんとも言えない。第二営業部と顧客の予算を奪い合っているのでそこの影響が大きい。


そんな事情は、あなたにとっては関係ありません。

あなたが追う売上がもし未達だったら、あなたは同じ理由を上長に言いますか?

それで許されますか?

許されないなら、あなたも許してはいけません。


関係する部署とコミュニケーションして動かして自分の売上を作る、それがチームメンバーの役割です。

全ては彼ら彼女らの責任です。誰かのせいにしても売上は1円たりとも伸びません。


明確に、そのことを伝えましょう。


3. 厳密に売上が把握できないので設定&管理できない

メーカーとして小売などに営業するが実際の売上は卸経由になるのでよく分からない、というケース。

そもそも、これは論外です。売上実績が把握できないのに、予実管理などできるわけがありません。


あなたは早急に売上を把握できるようにしなければなりません。

正確である必要はありません。

「予実管理」ができれば良いのです。

利用できるデータを最大限活用して、その売上を推定し、それに基づき予実管理する。

もし未達だった場合に担当メンバーがデータ精度が原因だと主張したら、その担当に売上推測の手法を考えさせます。



自分の目標は自分が全責任を追う


他にも色々な理由を付けて「自分ひとりだけの売上目標は作れません」と言ってくるメンバーがいるかもしれません。

しかし、決してあなたはそれを許してはいけません。

必ず一人ひとりが持つ目標数字を設定しましょう。


そして、その数字に関しては、全ての責任を担当が追います。

繰り返しになりますが、担当一人きりで数字を作る必要はありません。

しかし、周りを巻き込んで、上司であるあなたを使って、数字を作っていく、それは全て担当の責務です。


誰かのせいにしても売上は1円たりとも伸びません。

(大事なことなので二回言いました)


メンバーが不満や不安を感じても、それは一過性なので気にしなくて大丈夫です。

仕事に振り回されず、自分で仕事を振り回すようになると、仕事は急に面白くなります。


数字はあなただけのものではありません。

彼ら彼女ら一人ひとりの手に、「やりがい」をあげましょう。


営業マネジメントの教科書

営業課長・営業所長になって、初めて正式に部下を持ったあなた。 メンバーたちはクセモノ揃い、どうやってマネジメントすれば良いのか悩んでいませんか? 上司は担当時代とは桁違いの目標数字を課してきて、呆然としていませんか? 今までのやり方の延長では結果は出ません。 個人ではなく「チームで結果を出す」ために営業マネージャーがやらなければいけないキホン。 ギュギュッとまとめました。